「考えたことをカタチにするために大切な事は?」

ー自分でなおせる道づくり2021 二学期①ー
2020年度よりスタートしているみかん山の再生に向けたプログラムの一つ「自分でなおせる道づくり」。
みかん山の山頂まで続く全長1000mの道が、雨水によって削られ、走行困難になってしまうという課題を解決していくため、
環境共生型の小さな土木工事を実践するワークショップを開催し、みんなで道づくりを進めています。
環境共生型の道づくりのコンセプトは3つです。
①あるものでできる
②自分でなおせる
③コンクリートで全面を固めない
「あるものでてきる」
使う材料を全て購入して道づくりを行うと、とてもコストが高くなるので、
ほ場整備で出た残土や石など、あるものを活用していきます。
「自分でなおせる」
小さな規模で出来る工事を経過観察しながら繰り返し実践することで技術が蓄積されることを大事にしています。
持続可能な道づくりは、例え一部がこわれても、さらに改良し、自分たちのチカラでなおせるようになることが大切だと考えています。
「コンクリートで全面を固めない」
コンクリートで全面を固めずに元々ある周囲の環境を活かしていきます。
道づくりでは、基本的に一番削れる轍部分のみをセメントと土を混ぜ合わせた混合土を使ってなおしていきます。
出来上がった道は、工事をしたようには見えないほど自然な未舗装の道に見えますが、雨が降っても轍は削れず、車の走行もしやすくなることを目指しています。
今回の道づくりワークは、
8月豪雨の災害復旧工事です。
豪雨により、以前から抉れていた道の轍の抉れが更に進んで、酷いところでは基盤の軟岩層が露出してしまい大きな段差が出来ている状況でした。
このままでは車で走ると段差でガタボコに揺られてしまい、普通に通行出来ません。
以前は抉れた場所に応急的に土嚢を敷き詰めたり、石を敷き詰めたりしましたが、
半年も持たずに雨で流され、元通りに抉れてしまうため、復旧工事の設計のポイントを道を流れる雨水の排水対策に定めました。
排水対策は2つで、
①道全体を流れる雨水の量を減らすために、カーブにゆるやかな勾配をつけ側溝へ排水を
促す。
②カーブの内側に小さな横断側溝を幾つかつくり、道の側溝への排水を促す。
と、話し合って決まりました。
ところが、
道全体に側溝に向かってゆるやかな勾配をつけたいのですが、
ランマーという機械を使ってセメント混合土を叩いて固めようとしても、前日の雨を含んだ土の水分が多くて上手く締め固まらず、思うように勾配をつけるのがとても難しかったのです。
今までの道づくりのワークショップでは、
土木工事の専門の仲間がランマー係を一任してくださっていたので、とても綺麗に仕上がっていたのですが、
今回はそのスペシャリストが欠席されていたため、ランマーを使いこなし思うように土を叩いて固めるには、高い技術がいる事がよくわかりました(^。^)
写真下 今回は欠席された土木工事のスペシャリスト。道具すべての使い方が流石のプロです。
改めて、土木の専門的な仲間の技術力をみんなで実感したことでした。
それでも、
時間はかかりましたがなんとか完成!
最後は施工した区間に寝転がって、ドローンで記念撮影をしました(^^)
次回は10月16日(土)開催予定です。
また、ご報告をお楽しみに♪
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⚫︎「自分でなおせる道づくり」とは?
みかん山の山頂まで続く1000mの道は未舗装で大雨の度に抉れてしまいガタガタになってしまうため、専門的な仲間のといっしょに、環境共生型の小さな土木工事で再生し、その過程全てを共有していく参加型のワークショップです。
⚫︎ ワークショップの講師役のご紹介
西山穏さん
N Nラントシャフト研究所代表
環境共生型の土木工事の設計技術者。
県内では主に馬路村の柚子園の造成(農地石積・耕作道・排水等)や四万十町の石積みの用水路などを行った実績があり石積みと排水に詳しく、
以前からみかん山では「自分でなおせる道づくり」というテーマで研究会の講師役をしていただいています。
⚫︎2021年度ワークショップの予定は?
①9月18日(開催済)
「自分でなおせる道づくり(2学期前編)」
②10月16日
「自分でなおせる道づくり(2学期後編)」
③2月19日
「自分でなおせる道づくり(3学期)」
を開催予定!
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◾️しあわせみかん山とは?
しあわせみかん山は、
耕作放棄地となった段々畑の山を
自然の力で果実が実る持続可能な山へ再生させていくことを目指して、
果樹自然栽培の実践・研究を行うNPO法人です。
高知県にある後継者のいなくなった段々畑の山で、みんなで持続可能な農業と食のありかたを考え・学び・実践研究を続けています。
◾️自然栽培✖️手つなぎ流通プロジェクトとは?
しあわせみかん山は、
「世界中のみんなで1000年つながる農業と食を育てる」
という夢を描き、
みかんを主体とした色々な果樹を、
化学肥料や農薬に頼らない自然栽培で育てる実践・研究を行っています。
その試行錯誤の過程や課題を共有し、
ご意見やご協力をいただきながらみんなで一緒に、プロジェクトを進めています。
まだまだ始まったばかりの
小さな取組みですが、
みかん山づくりを通じて、
個人の方々や企業さんの思いを繋げ、
小さくても自分たちの力で農業と食の問題に取り組んでいける社会を実現したいと思います。
ご理解とご賛同、よろしくお願いいたします。
◾️応援はコチラから!
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