「農空間づくりの方向性」 ―環境と人に負荷をかけず、最小限の工夫で改善!―

しあわせみかん山では、2021年度より「土の学校」がスタートしました。

高知県佐川町で有畜複合農業を営むTAMファームの代表、通称「たむさん」を講師に、

農空間(のうくうかん)づくりに取り組んでいます。

たむさんが目指す「農空間づくり」の一番の軸は、生産性と生態系保全が両立する農空間をデザインしていくことです。

どちらか一方に偏らず両方が成り立つことを軸において、土づくりやゾーニングを行っていきます。

その過程をワークショップ形式にして、参加者の方々へ共有し、

ブログや通信を通じてサポーターさんに共有しているのが「土の学校」です。

今回の移転は段階的に行いましたので、最初は幼木を育てるための幼木園地を決めました。

これが2022年9月のことです。この時点で移植を考えた場合、2022年の秋植えか2023年の春植えが可能となります。

秋植えも不可能ではないですが、植えてから暖かくなっていく春植えの方が根の活着が良く最適だろうと判断しました。

そこでたむさんが、半年後に200本の柑橘苗木を移植してくる予定の幼木園地という条件の下、

土づくりの方向性や、畝立て、排水設計をデザインしてくれました!

 

以下はたむさんのお言葉です。

「移転地の土は地表面の水はけは良いですが、土の胃袋と呼ばれる CEC(保肥力)が低く、

長年 有機物も投入されていないため養分が乏しい土壌であることがわかりました。

条件不利農地を優良農地へと改変させるのは、容易なことではなく多大な労力と費用がかかります。

地形や水系、土質、こうしたものを変えるのは負担が大きく、従来の農地生態系を大きく変化させることにもなります。

そこで、現状を環境と人に負荷をかけずに最小限の工夫で改善することが得策であると考え、

幼木園の農空間づくりの方向性としました。」

次回は、「日射のエリア分け」

南側に雑木林のある園地で太陽を活かしたゾーニングデザインを共有いたしますので、お楽しみに♪

(2025年は、ほぼ毎週木曜日にブログを更新予定です。)

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◆土の学校講師 たむさん ご紹介

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田村雄一  1967 年高知県生まれ TAM ファーム代表。

2008 年 近自然農業の実践を目指して、さかわオーガニック&エコロジーラボトリー(SOEL)発足。

佐川町有機農業推進事業受託。2016 年土壌医資格取得。高知県佐川町で乳牛を育て、その堆肥を活用し ニラや水稲を生産。

地域内で新規就農や移住のサポートなど若手の育成にも力を入れている。

小説を書くのも得意で、ロマン溢れる一面も合わせ持つ。

壮大なビジョンと豊富な実践経験から生まれるアイディア、家族の絆が魅力的。

 

著書 「自然により近づく農空間づくり」築地書館

「自分の農地の風・水・土がわかれば農業が 100 倍楽しくなる」築地書館