「森づくりに学ぶ土づくり④」 ー過干渉は良くないが、過保護は良い?ー

③の続き
9月18日(土)
9月のみかん山自然栽培研究会では、
佐川町在住で土壌医の資格を持つTAMファームの
「たむさん」をお招きして、
土づくりのワークを開催しました。
座学と実践をひととおり終えて、
参加したみんなで感想を出し合う時間を持った時に、
とても素敵なご意見をいただいたので共有いたします(^^)
子育て教育の中で、
「過干渉は良くないが、過保護は良い。」という言葉があるそうです。
過干渉は、
→子どもが望んでいないことを親が先回りしてやってしまうこと。
(例えば、勝手に子どもの進路や就職先を決める、友人を決める、
翌日の時間割に合わせて教科書を揃えるなど)
過保護は、
→子どもが望んでいることを思いどうりにしてあげること
(例えば話を聞いてあげる、抱きしめる、気持ちを受け止める、環境をつくるなど)
どちらも親が子どもにしてあげることですが、
子どもが望んでいるかいないかが、
大きな違いであるとありました。
過保護だと、
「子どもが何も出来なくなってしまうのでは?」
と、捉えられがちですが、
子どもは自分の望んでいることを思い通りにしてもらうと、
心が満ち足りて、どんどん自立していくものだそうです。
逆に過干渉だと、
本来は子どもが自分の判断で考えて悩んで行動するところを、親が先回りしすぎることで、
自発的に何かをする芽をつぶしてしまうといいます。
過保護は、子どもが主体で
過干渉は、親が主体とも言えるそうです。
この話が、
みかん山の苗木の育成の話とすごく結びつくなと感じられたそうです。
今回、自然栽培で苗木が育つために、
夏場と冬場に苗木が好む環境をつくりました。
これが子育てだと、「過保護」にあたることじゃないかなと思われたそうです。
確かに、
木がしっかり大きくなれば保護の必要は無いのですが、
まだ根が発達してない苗の段階では
夏の強すぎる陽ざしを避け、
冬の寒さを防いであげた方が苗の成長を助けることになります。
この話を聞いて、
参加者のみんなで「なるほど〜」と、思ったことでした。
みかんの木は、
「苗木」という段階から5〜6年ほどで「幼木」という段階に成長し、
10年〜20年で「成木」に成長していきます。
苗木の段階の時に、
自由にしっかり根を伸ばすことが出来ると、
元気な成木に成長していくことが出来ますが、
根が上手く発達しないと「こじらせる」という状態になり、
素直に成長していかない木になると言われます。
みかんの木を育てることと、
子どもを育てることを重ねて見てみると、
特に幼い苗木の時は、
優しく包み込む家族のような環境をつくってあげることは、
本当に大切だなと改めて思ったことでした。
みかんのような果樹は、お米や野菜のような
1年でサイクルが回るものと違って、
何十年もかけて育てていくものだからこそ、
より、人の成長と重ねて感じやすいのかもしれませんね(^^)
以上、
4回に分けての9月の研究会のご報告でした。
10月は、
待望の石積み学校を開催します!
また詳細をお知らせいたしますねー。
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●しあわせみかん山とは?
高知県香南市にある後継者がいなくなり衰退していくみかん山を引き継ぎ、
1000年つながるみかん山へ再生していくことを目標に、
果樹の自然栽培を軸に、
持続可能な「農・食・環境の学び場」を育てているNPO法人です。
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●みかん山再生プロジェクトについて
現在のみかん山は後継者が居なくなって衰退した100段の段々畑です。
1964年の東京オリンピックの年に、
先代が雑木林を切り拓きみかん畑に開墾されました。
現在は、当時植えられた2000本のみかんの木はは全て老木になっていて、ほとんどが寿命で枯れてしまい、苗木の更新が必要な時期にきています。
また、山地の栽培は果樹を育てる以外にも細かな環境整備が必要で手が入らなくなるとすぐに荒れてしまいます。
例えば、
段々畑の法面が崩れてきたり、
林道が雨で削れて道がガタガタになって通行不可能になってしまったりと、
土壌環境整備、
排水の改良、沢筋の整備、道の整備など、
手入れが必要な事や課題がたくさんあります。
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