「森づくりに学ぶ土づくり①」
ー日陰と陽だまりを畑につくる?ー
9月18日(土)
9月のみかん山自然栽培研究会は、
佐川町在住で土壌医の資格を持つTAMファームの
「たむさん」をお招きして、
土づくりのワークを開催しました。
たむさんは、佐川町の有機農業のパイオニアで
酪農とニラの栽培をメインに色々な作物を育てられています。
みかん山では今期から、
苗木の成長促進の一環として、
春から夏にかけてソルゴーによる日陰づくりを行いました。
ソルゴーは背丈が高くなるため、
夏場の強い陽射しから苗木を守ることができ、
根も深くまで伸びるため、土壌の排水や通気性を改善する効果が期待できます。
また、苗木の根本に日陰をつくることで、
地温が上がり過ぎることを防ぎ、
適度に湿潤な環境を保つことにもつながり、
結果的に根の発達を促すことになるという
仮定の元、実践研究を行っていました。
今回のワークでは、
ソルゴーは刈り取るのですがその前に、
ソルゴーを植えた苗と植えなかった苗の
葉の状態や根の状態を比較検証することにしました!
葉の色・はり・形・角度・葉数などを比較すると、
ソルゴーを植えて日陰がある側の苗木の方が、
相対的に生育が良好であることが確認できました。
さらに、
根周りの土を掘って虫眼鏡を用いて発根の数や状態を比較検証してみたところ、
こちらは見事なほど、明確な差が観察できました!
ソルゴーを植えなかった苗木の根には細根がほとんど出ていなかったのです。
■ソルゴーで日陰をつくった苗木の根
↑
こちらは、ソルゴーを植えた苗木の根。細根がビッシリ。
■日陰をつくらなかった苗木の根
↑
こちらは、何も日陰が無い状態で栽培した苗木の根。細根がほとんど出ていません。
根の数が増えないと、いくら栄養があっても吸収することが出来ないため、葉や枝も成長できません。
一方、ソルゴーで日陰をつくった苗木は、
細根がきちんと生えていました!!
「日陰」という環境をつくっただけで、
発根数が増え、結果的に枝葉の成長につながったのです。
②「陽だまりづくり」へ続く!
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●しあわせみかん山とは?
高知県香南市にある後継者がいなくなり衰退していくみかん山を引き継ぎ、
1000年つながるみかん山へ再生していくことを目標に、
果樹の自然栽培を軸に、
持続可能な「農・食・環境の学び場」を育てているNPO法人です。
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●みかん山再生プロジェクトについて
現在のみかん山は後継者が居なくなって衰退した100段の段々畑です。
1964年の東京オリンピックの年に、
先代が雑木林を切り拓きみかん畑に開墾されました。
現在は、当時植えられた2000本のみかんの木はは全て老木になっていて、ほとんどが寿命で枯れてしまい、苗木の更新が必要な時期にきています。
また、山地の栽培は果樹を育てる以外にも細かな環境整備が必要で手が入らなくなるとすぐに荒れてしまいます。
例えば、
段々畑の法面が崩れてきたり、
林道が雨で削れて道がガタガタになって通行不可能になってしまったりと、
土壌環境整備、
排水の改良、沢筋の整備、道の整備など、
手入れが必要な事や課題がたくさんあります。
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